う~ん、美味しい!!という幸せ~粗食粗呑の日々~

美味しい食事や美味しいお酒そして料理の日々を楽しくつづります。

正統派の僕が異端派に変身した瞬間

ほとんどの親戚が横浜市内に集中していたからか、僕にとってのお雑煮は一種類。鶏のおすまし系のお雑煮です。お餅は焼き派。うっすら焦げ目が付いてパンパンに膨らんだお餅をお椀に入れて、熱々の汁をたっぷりかけると、焦げて膨らんだ所が最初はカリカリ、少したつとヘタっとなって汁が染みて美味しいのです。

紅白が終わり、行く年来る年とかをボケっと見ていると、雪景色のお寺の参道なんぞを映した後でその地方のお節料理を紹介なんかしていた。そこに出るお雑煮は、白味噌のお雑煮や鯛が飛び出しているお雑煮、お持ちも丸いのだったり・・・ふ~~~~ん、世の中には変わったお雑煮を食べている人がいるんだな、でも、こっちは正統派だぜ。などとブツブツ言いながら年を越す。

そんな正統派な僕の正月に「奴!」はやってきた。正統派ではないお雑煮が。僕が今まで食べていたお椀の底が見える透き通る澄んだ汁ではなく、どろっとしたまったく澄んでいない汁であった。僕が今まで食べていたカラフルが色栄えは無く、全体的に暗い色使いだ。ずるずるとお汁を飲むと、う!美味しい。中身は、牛蒡・里芋・人参・・・まあいいでしょう。黒い細切りはなんだ?おお!昆布だ。そして、ちょっと赤みがかかった中太の棒は何だ!何だ!!・・・・おおおおおお~スルメだ。うまい、うまい、おかわりだ。

それは、正統派の僕が異端派に変身した瞬間だった。でも、今でも僕は正統派のお雑煮を毎年作る。昆布と鰹節で出汁をとり、鶏もも肉を投入、お塩とお酒とお醤油で味付けしたら完成。ほうれん草や紅白のかまぼこで色添えて、最後に柚子を散らせば完成だ。後は、お餅が焦げてふっくらするのを待つだけ。