日本の正しい酒場002 「海の幸」(沖縄県今帰仁村)
酒場には鼻が利くと自負する僕も、店の明かりがほとんどない今帰仁村でのそれは無用の長物というものだ。
前日に予約の電話を入れた時、
「わかりづらいよ!」というお母さんの声に、「ふん、俺の鼻は・・・」などと心の返答をしていたから罰が当たったのだろう。カーナビは役に立たず、国道505号線を行ったりきたり、右や左のわき道に入れば真っ暗でカーライトに大量の蛾やバッタが迫ってくる。
降参して電話をすると、
「あらら~迷ってしまったんだね~。カネシショーの信号にミチノソバがあるから、海のほうに入ってくればわかるさ~~~」とお母さん。だから~~~、そのカネシショーとかミチノソバもわからないし、そもそもどっちが海だかわからない。
半ベソをかきながら運転していると、道のそばを発見!ミチノソバは道のそばであったか。信号を見上げると兼次小と。カネシショーは兼次小、そして兼次小学校。う~~~~ん 読めないよ。
わき道を入り電話したら、
「近くまで来たね~。すぐ右へ入る道があるから、来なよ~~」とお母さん。よし、と運転してもたどり着かない。もう一度505へ戻り、ミチノソバならぬ道のそばを右折。すぐ右へ入る道ってこれ?それは、道というより半分藪の農道に近い。よし、入るぞ・・・・・・・で30メートル。
僕の中でもっともわかりづらい酒場ナンバー1は、木場「河本」。はじめて行った時、店の前を2~3回通っているのにわからなかった。
でも、今回ナンバー1が新しく登場・・・それが今回苦労の末お邪魔した今帰仁村「海の幸」。
ガカガラと引き戸を開けると完璧にお家の食卓。一瞬後ずさりするものの、お母さんの
「よ~~やくたどり着いたね~~~。さあさあ、この辺りに座ってね~」という明るい声に促され着席。目の前には、お酒が多めに入っているらしきお父さんとそのお友達。お家の座敷らしき場所には、女性4人組で酒盛り中。
おおおお~~~いいぞいいぞ。
まずは、オリオン生で乾杯すると、氷にのったたっぷりのモズクとキンキンに冷えた酢醤油がやってきた。そうです。ここ「海の幸」はその日に採れた食材で料理するのでお任せなのです。
ビールをぐび、モズクをちゅるり。ビールをぐびぐび、モズクをちゅるちゅる。あ~~幸せモード満開です。
お父さんやお友達ともわいわいガヤガヤでペースアップ。今帰仁酒造の泡盛美しき古里をボトルごといただいて、シークワーサーを絞りお水を少し入れてグビリ。釣りたての鱸の親戚らしい煮魚やテビチやらがどんどん出てきて最高です。
店の天井を見上げると、ヤモリが小さな虫をパクリと銜えている店。それが、今帰仁村「海の幸」。ボトルを一本空けて、お腹いっぱい食べて、笑ってお会計・・・・3000円でいいよ~~~って それは安すぎますよ。
明日も今帰仁にいるならおいでとのお言葉に、当然甘え 次の日も同じメンバーでまたボトルを一本空けたのでした。
必ず、また来ますね。
「海の幸」
0980-56-3289